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コラム バックナンバー


二つ勝てば中央への切符
 中央の未勝利戦が終わる秋口くらいから冬にかけて、毎年多くの未勝利馬が中央から転入してきます。ただ、そのまま地方で骨を埋めるのかと言うと、そんな事はなく、再び中央に戻る事もあります。
ただ、これには条件がありまして、地方で2勝するか、又は1勝でも5戦以上レースに出走しなければ、中央500万下への再入が認められません。
 中央に戻るつもりなのか、そのまま金沢に残るかは我々にはわからない部分ですが、「走ってもらわないと困る」などの調教師コメントを読むと、陣営の熱の入り方が違うものです。いつもより勝ちに飢えているだけに、こういったものを見つけたら狙い目かも。
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金沢競馬は疲れとの闘い。連闘について考える
 プロである調教師に聞いてみても、馬の疲れが見た目になかなかわからない時があると言います。レースに使ってみて、追い出した時に、初めてわかる事もあるとか。
 レースでは調教では苦しがって出さないスピードを出しますから、消耗度は調教の比ではないですし、一般的に真面目に走る牝馬の方が連闘は堪えると言います。
 金沢競馬では、2走使いや後半開催→前半開催といったローテーション。それ以外でも正月開催や祝日との兼ね合いによる変則開催で、連闘が起こります。一口に調教欄で中間軽めと書かれていても、調整振りには差があります。日々馬の状態を見ている、トラックマンのコメントにいつも以上に気を配りましょう。
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ノド鳴りを考えるパート@
 まず、ノド鳴りを軽く説明しますが、ノド鳴りには何種類かありまして、ここで挙げるものは一例です。
ノドには、食べ物は胃袋、空気は肺へと仕分けしてくれる「弁」と言われるモノがあります。この「弁」が、本来の機能を通り越して肥大化してしまい、空気の通り道を狭めてしまう病気の事です。
 有酸素運動(レースや調教などの激しい動作)が必要になっても肥大化した弁のせいで、り空気の通り道が狭く、ヒューヒューと言った鳴りモノの様な音がします。手術で無理やり弁を引っ張り上げ、競争生活を送る間だけでも気道を確保したりはするみたいですが、なかなか完治は難しい様です。
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ノド鳴りを考えるパートA
 さて、現在馬の医学は驚くべき程進歩をしていると言われておりますが、それでもノド鳴りは完治が難しいどころか、発症する原因すら不明と言われている謎多き病気です。
 先天的になる馬もいれば、後天的になる馬もおり、中央のダイワメジャーの様に、血統的になりやすい(母系のスカーレット系)馬もいる様です。
 入厩や転厩といった環境の変化で発症する事もあるらしく、セリ市や牧場で気に入った仔馬を買ったはいいが、いざ入厩してみると、ノド鳴りになっていたなんて話もあります。ノド鳴りになると、短距離しか走れなくなるとか、湿気の多い日は症状が軽くなるとか色々な説がありますが、ノド鳴りを感じさせない活躍を見せる馬も結構いるものです。
 ただ、競走馬に経済的な価値が付随している以上、なかなか関係者の口からノド鳴りを認める話は聞けません。セリなどの売買で価値が下がるからです。金沢競馬でもタブー視されている事で、余程の事がない限りは、紙面に「ノド鳴り」とは出てきません。ただ、調教欄などに「息遣いがもう一つ」などと書かれている場合もありますし、「息遣いが悪い馬だから距離が延びるのはなぁ」といった表現をする事もあります。



鼻出血について
 私はこの業界に入ってから知りましたが、馬は口で呼吸ができず、鼻でしか酸素を取り込めません。馬が口を空けて「ハァーハァー」言っているものだから、私はずっと勘違いしていました。
 鼻出血というのは、人間で言えば鼻血に過ぎませんが、口から息を吸えない馬にとっては、鼻が詰まると呼吸困難、場合によっては死に至る可能性があります。もちろん、公正なレースなんてものも行えません。そういった事から、「内因性により鼻出血」を発症した馬には、厳しい出走制限が設けられているのです。外傷性の場合なら特に規制はありません。
 人気馬が惨敗した後で、実はレース中に鼻出血していたんだよという話は、時々あります。

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同じ「毛」でも違いがある
 「毛づや」が馬の何を表しているかと言いますと、単純に言えば馬が元気かどうか、難しく言えば、新陳代謝が活発か否かを示しています。新陳代謝は内臓器官と直結していますから、栄養状態や健康状態が毛づやに反映されてくるわけです。
 一方「冬毛」は馬の生存本能で、寒くなってくると体温を保持する為にどんな馬でも必ず生えてきます。馬も人と同じく、女性(牝馬)の方が冷え性の様で、冬毛の生えてくる時期が早いものです。
 毛づやと違い冬毛は競争能力に影響がないとの見解も根強く、「冬毛=調子が悪い」とは一概に決め付けられません。

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馬の健康状態の大前提
 野生で生きる草食動物は、自分から弱いところを見せる事は、まずありません。犬でも猫でも何でもそうですが、弱っていると他者に知られると、真っ先に狙われるからです。
 カゼをひいたり熱を出したり、脚が痛いなどの生きる上での弱味を馬はなかなかアピールしません。つまり、好調よりも不調の方が見抜けないものなのです。

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外枠有利について考える
 普通トラックはインコースが有利なのですが、金沢競馬では外枠有利が常識になっています。原因は何なのでしょうか?
色々な説があるのですが、一般的な説としては

@ ハナに立たされない。マークされる側とする側では同じペースで走っていても消耗の度合いが違うという展開的な視点。

A 砂や泥を嫌がる馬、揉まれ弱い馬が外目からなら能力を発揮できるという気性的なもの。

@は金沢競馬の特色とも言える、「早目仕掛け」が関係しているのではと考えられます。
これは、2コーナーを過ぎたら早々と後続がペースを上げてくるという事で、こうなると先行馬は息を入れられなくなり、かなり厳しい展開になってしまいます。向正面で内枠の先行馬が失速なんていう事は、よく見られます。
一説によると、もう引退されましたが、渡辺騎手の騎乗スタイルが広まったものではないかと聞きます。実力馬を確実に上位に持ってくる方法として、早目仕掛けが有効な戦法だった様です。では、実際にジョッキーが外枠が好きかと聞いてみると、必ずしもそうではなく、イン好きや中枠好きも多いのですよ。
 
Aを考察してみます。金沢競馬には、馬群に包まれるのが苦手、いわゆる揉まれ弱い馬や、砂や泥を嫌がる馬が多いのではと言われています。
大井などでは馬を鍛える為に、若いうちから積極的にインコースに突っ込ませるらしいのですが、そういった「しごき」に耐えられなかった、何かしら弱い部分を抱えた馬が金沢に転入してくるケースが多いのが背景ではないでしょうか。

「金沢競馬全体として、馬の質が段々と下がっているんだよ…」と嘆くジョッキーもいるくらいですから…。



セン馬の秘密
 中国に昔、宦官と言って去勢された男性がいたのはご存知でしょうか。話は端折りますが、この宦官の骨を分析したところ、普通の人よりも老化の進み具合が遅かったとの報告があります。
 この事を踏まえると、宦官は馬で言えばセン馬の事になるわけでして、セン馬は競走寿命が衰えにくいではないかという説があります。
 もちろん、はっきりとしたデータがあるわけではないのですが、普通セン馬は激しい気性を矯正する為に行う荒療治なわけで、意外な副作用?があるのかもしれませんね。

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恐ろしい馬の食欲
 馬は自分の体重の2、5%の食料が必要とされています。だから平均すると、1日約10〜13キロ程度のカイ葉が必要になるのですが、これは体力を維持する為に最低必要な量で、調教などをしてカロリーを消費すれば、更に多くの食料が必要になります。
 しかし中には、なかなか太目が解消してこない馬なんかもいるもので、そういった馬には意図的にカイ葉の量を調整したりします。ところが、あまりにもお腹が減っている馬は、カイ葉がなくなると、寝ワラを食べ始める様で、更にそれでも足りないと自分の出した馬糞でも食べるという話です。
ここまで食い意地が張っていたから、管理する方もお手上げですね。

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